ジュノ・ディアス最新作『こうしてお前は彼女にフラれる』〜王様のブランチ

2014年3月1日 王様のブランチ イチオシBookmark で紹介された、アメリカで最も権威のある文学賞ピュリツァー賞を受賞しているジュノ・ディアスさんの最新作『こうしてお前は彼女にフラれる』です。


東京国際文芸フェスティバル2014は、普段は接することのできない国内外の小説家・詩人・翻訳家など100人以上が集結し、都内30ヶ所でイベントを行う文学のお祭。

その中で軽快な語り口で人気を集めていたのが、マサチューセッツ工科大学で教鞭もとる作家のジュノ・ディアスさん。

2008年に「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」で、アメリカで最も権威のある文学賞ピュリツァー賞を受賞。現代世界文学の旗手の一人です。

『こうしてお前は彼女にフラれる』のあらすじ

主人公は恋多きドミニカ人のユニオール。
浮気をしてはふられてしまう。
そんな彼が沢山の女性たちと繰り広げる叶わぬ愛を描いた物語。

自分も相手も傷つくとわかっていながら浮気をしてしまう。
ユニオールのおかしくも切ない9つの短篇集。

交際する大切な女性がいるのにもかかわらず浮気をし、 
いつもバレてはふられてしまうユニオール。

浮気を繰り返すユニオールの後悔と苦悩。
叶わぬ愛の物語は、家族との過去や壊れかけた社会も浮き彫りにする。

彼は本当の愛を求める男なのか?
それとも愛を知らない悲しい男なのか?

「愛の終わりというものを見事に示されている」フィナンシャル・タイムズ
「感動的な本である。」ワシントン・ポスト
「現代小説において最も際立った誘引力」ニューヨーク・タイムズ

世界的に評価される浮気男の物語。
浮気を繰り返すユニオールの結末とは?

『こうしてお前は彼女にフラれる』へのジュノ・ディアスさんの想い

『こうしてお前は彼女にフラれる』を書くきっかけは?
人は恋についてかなりの時間考える。
濃いと格闘して生きている。
浮気は恋に刺さるナイフのようなもの。
現実には浮気をしている人がすごく多いのにほとんどの人が出来るだけ隠そうとしている。
こんな作品があったら面白いんじゃないかと、
男の視点から見た愛をテーマにしたんだ。

物語に出てくる男たちは、
いつも優しいわけでも利口なわけでもない。
でもとても人間味がある。
傷つき完全ではない人間の存在を見せてくれることで、現実の人間も同じだと気づいてもらえたらと思う。

女性友達の2人が、この本を読んだとき正反対の意見だった。
1人は彼がロマンティックで真剣に愛を求めている
1人は彼が最悪で救いようがない真の愛に興味がない。
本とは読者のものだから本の真の終章を書くのは読者自身だ。

この物語は75%は著者の実話。
本が出版さされた後に友人の奥さんや恋人から
「これアナタでしょ!」って凄く怒られたそうですよ。