【毒を出せない人】急増!危険な体、徹底解明〜たけしの「みんなの家庭の医学」

8月23日、たけしの[みんなの家庭の医学」のテーマは「【毒を出せない人】急増!危険な体、徹底解明」でした。
最近デトックスブームで、いろいろな美容法や健康法があります。
「体に溜まった毒」とは、毒が体から排出されるメカニズム、毒により引き起こされる病気などの徹底解明です。

体に溜まった毒の正体とは?

体に入った栄養が筋肉でエネルギーになると燃えカスのようなものに変化します、これが「老廃物」でいわゆる「毒」です。毒が体に溜まると生活習慣病や恐ろしい病などを引き起こしますので、汗や便などで体の外に排出されていますが、最大の毒出し、デトックス機能が「おしっこ」です。しかし、成人の8人に1人の割合で「おしっこ」から毒を出せない人がいます。

「体に溜まった毒」の排出されるメカニズム

腎臓は腰の背骨の両脇に2個ありそら豆のような形をし、男女とも拳より少し大きく、レモン1個分くらいの重さの臓器です。
腎臓は体の下水処理場、血液のろ過の役割を果たし、血液に混ざった毒、水分、不要物をろ過し尿として出し、きれいになった血液を体に戻します。全身の血液は5分に1回腎臓を通ります。

腎臓には「糸球体」という毛細血管の塊が1つの腎臓に100万個あり、血液のろ過をしています。
「糸球体」の中にある毛細血管の壁には穴が開き、タンパク質などの必要な栄養素を残し、クレアチニン(代表的な体に溜まる毒素)などの毒をふるい分けます。
血管がダメージを受けると壁の穴が塞がれ毒素ばかりでなく水分も通さないので、「おしっこ」が出なくなります。これは最終段階なのですが、その前に腎臓の機能が低下しているサインが出ます。

糸球体がダメージを受けると壁の穴が完全に塞がれる前に壁の穴が広がるという変化が起きます。すると必要な栄養素のタンパク質が尿中に出てしまします。よく聞く「タンパク尿が出る」とはこのことを言います。

「体に溜まった毒」とメタボリックシンドローム

30代〜60代の男女18名により24時間おしっこを溜め、クレアチニン(代表的な体に溜まる毒素)量測定をする実験を行いました。その中で半数の人のクレアチニン量が基準値より下回っていました。(「おしっこ」の中のクレアチニンが少ないということは毒素が出ていないということ)。中でも、61才の男性は基準値の1/3しかクレアチニンが排出されていませんでした。生活調査にて、運動をしない、最近太ってきた、血圧が高めということが分かりました。

肥満、高血圧、高血糖脂質異常症などのメタボリックシンドロームにより腎臓の機能を低下させ、「体に溜まった毒」がおしっこから出なくなるということです。

慢性腎臓病と心筋梗塞の関係

慢性腎臓病は生活習慣の乱れなどから、腎臓の機能が徐々に低下していく病気で、糸球体が死に毒が体に溜まる、毒により糸球体の破壊が進み、さらに毒が溜まるという悪循環が起こります。
体に溜まった毒により血管の壁が傷つき、コレステロール中性脂肪が高くなくても動脈硬化が進みます。このことにより心臓の血管がダメージを受け心筋梗塞を引き起こします。

慢性腎臓病は自覚症状が無いうちに症状が進みます、タンパク尿が出る、尿に泡がたつ、強いムクミ、疲労感などが出たら腎臓の検査が必要です。また、40才を過ぎたら年に1回、血液や尿の検査などで腎臓の機能のチェックすることも大切になってきます。

慢性腎臓病(CKD) 進行させない治療と生活習慣

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