更年期障害の症状〜身体的症状

更年期にやさしい音楽

更年期になると様々な症状が起こりますが個人差があり、症状があるけど気になるほどではない、気がつかないまま終わる人など様々です。その中で生活に支障をきたしてしまうほどの症状を「更年期障害」と呼びます。
更年期障害には、身体的症状と精神的症状があり、複数の症状が重なって現れます。
更年期が原因でない病気の場合もありますので、おかしいと思ったら受診をして下さい。
今回はおもな身体的症状をご紹介します。

ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)

更年期障害の中でも最も代表的な症状です。突然暑いわけでもないのに顔がカッーと熱くなり赤くなったり、上半身が熱くなったりします。同時に大量の発汗や動悸を感じる・寒気(悪寒)がするなどの症状が出ることもあります。似たような症状にバセドウ病がありますので、ご心配のようでしたら検査をおすすめします。
原因は女性ホルモの減少により自律神経が乱れ、血管の収縮や拡張の機能がうまく働かなくなっていることにあります。皮膚に近い血管が急に拡張して血液が集まるために起こります。

発汗

多汗症の方などは手足に多量の発汗があるのですが、更年期の場合は、気温や運動などに関係なく顔や首などの上半身に異常なほどの発汗があり、寝汗を大量にかく方もいます。
これも自律神経の乱れから起こります。
「匂いが気になる、人に知られたら恥ずかしい」などがストレスとなり更に汗をかくこともありますので、制汗剤やデオドラント製品を使用したり、着ているものでカバーしあまり気にし過ぎないようにしましょう。

冷え

今まで冷えを感じたことがない人でも手足や腰などの冷えを感じるようになります。これも自律神経の乱れにより、末梢の血管が収縮して血液循環が悪くなるために起こります。ストレッチ、ウォーキング、半身浴などで血液循環を良くする、ビタミンEを含む食品や体を温める食べ物をとるなどの工夫も必要です。

めまい

フワフワと雲にのっているような「浮遊性のめまい」や、天井がグルグル回るような「回転性のめまい」などがあります。慌てずにゆっくりと行動し静かに休んでおさまるのを待ちましょう。症状が重いようでしたらメニエール病などの検査もおすすめします。

頭痛・頭重感

以前から頭痛がある人が悪化したり、月経の前になると頭痛が起こる人にも多くみられます。
更年期の頭痛は筋緊張性頭痛(肩こりなど筋肉の緊張からくる)のものや、ストレス・眼精疲労からくるものもあります。ストレッチや入浴などで筋肉をほぐし、マッサージなどで心身ともにリラックスすることも効果的です。頭痛は高血圧や脳の障害でもおきますので、症状が強いようでしたら検査をおすすめします。

動悸・息切れ

運動をしたり動き回っているわけでもないのに、急にドキドキしたり息苦しくなったりします。座っていたり、寝ていても起こる場合もあります。主な原因に自律神経の乱れがありますが、ストレスや不安などで気分が落ち込んでいるときなどに、症状が強くなることもあります。日頃からストレスを溜めずに体を休めことは大切です。症状が起きたら、ゆっくり深呼吸をして落ち着きましょう。症状が頻繁になり日常生活もままならないようでしたら、早めの受診をおすすめします。また、循環器系の病気の場合もありますので、検査をしましょう。

肩こり・腰痛・関節痛

自律神経の乱れによる血行障害や、筋肉の衰え、骨や軟骨の老化などが原因としてあげられます。同じ姿勢を続けない、姿勢を良くする、中腰にはなるべくならない、体を動かし筋力の低下予防・血液循環の改善をする、体重の増加は膝や腰に負担をかけるので体重管理をするなどの予防策をとりましょう。また、骨粗鬆症もこの時期から急激に進みますので検査しておきましょう。特に関節の痛みが強いようでいたらリウマチなどの疑いもありますので、検査をおすすめします。

悩む前に受診

更年期障害の治療により症状が軽くなったり、解消されたりすることもありますので悩んでいないで早めに婦人科を受診されることをおすすめします。血液検査で女性ホルモンを調べれば更年期かどうか判ります。また、更年期が原因ではない深刻な病気が隠されていることもありますので、他の病気の治療の足がかりにもなります。
最近は、更年期外来や女性外来を設けている病院も増えてきたようなのでホームページなどで調べてみてください。