村上海賊の娘 和田竜/著 2014年本屋大賞受賞作品〜王様のブランチ

2014年4月12日 王様のブランチ 2014年本屋大賞受賞作品は『村上海賊の娘』和田竜/著です。

2014年の本屋大賞受賞作品は和田竜さんの『村上海賊の娘』でした。

作家・和田竜さんは、2007年にデビュー作『のうぼうの城』が大ヒット。
以来、歴史時代小説を専門に執筆。
魅力的な人物造形や骨太なストーリー展開が高く評化されています。

そんな和田竜さんが、4年もの歳月をかけて書き上げた『村上海賊の娘』。
吉川英治文学新人書を受賞。

戦国時代に実在した史実をもとに、
壮大な戦いを描いた長編歴史小説です。

村上海賊の娘』のあらすじ

時は天正4年。
武田の騎馬隊を粉砕した織田信長は、
西に勢力を伸ばそうと大阪本願寺の地を狙っていた。

その戦いも7年目を迎え、
窮地に追い込まれた本願寺は西の有力大名・毛利家をつうじて
当時瀬戸内海で大きな勢力を誇っていた村上海賊の力を頼ることに。

村上海賊長の娘・景は、
女だてらに軍船に乗り海賊働きに明け暮れていた。

長身で怪力、偉人のような容貌の彼女は
姫でありながら嫁のもらい手がなかった。

そんな中、景は自分を見初めてくれる男を求め
合戦の渦中にある堺へ向かう。

ついに織田軍率いる海賊と全面対決。
やるかやられるか、景の壮絶な死闘と婚活の行方とは・・・。

海賊同士の戦いに胸熱くなる長編歴史小説です。

村上海賊の娘』の作品秘話

闘うシーンは熱くなって。
戦っている人の目線でというつもりで書いています。

歴小説はたいてい上から見て軍事がこうなりました
というような離れた位置から書かれるのが普通なんですが、
あっちからこんなふうに見えた、こっちからはこんなふうに見えた
というように、登場人物の目線で合戦シーンは書いています。

主人公の景が生まれた切っ掛けは・・・思いつきです。
村上海賊という海賊物を書こうとしたときに、
主役は女性がいいなとまず思ったんです。

まるっきり架空では面白く無いので、
家系図を探って戦国時代の海賊王とよばれた人物に
実の娘がいるのがようやくわかり書くことができました。

授賞式にいた書店員さんの感想は、

「船と船の戦いのシーンは読んでいても映像が浮かぶような心がいっぱいあって、
読んでいて気持ちが良かった本です。」

「女性が婚活しながら大活躍する話。親近感を持って読め、一気読み出来る魅力がある」