綾野剛さん紹介の本〜王様のブランチ

2014年4月5日 王様のブランチ 読書LOVERS BOOK SELECT ゲストの綾野剛さんの愛読書の紹介です。

話題作の出演が相次ぐ注目の人気俳優・綾野剛さん。

小説に関しては、
道尾秀介さん・金原ひとみさん・中村文則さん、ときに藤原新也さん
などの本を読まれるそうです。

最近では、白雪姫殺人事件の湊かなえさん、
空飛ぶ広報室有川浩さんなど。
作品をとおして出会う本も沢山あるとのこと。

今回は綾野剛さんが大好きな作家の本を紹介してくれました。

去年の冬、きみと別れ」 中村文則/著

著者の中村文則さんとはプライベートでも交流がある綾野剛さん。
そんな綾野さんが恐怖で震えたという中村文則さん渾身のミステリー。

去年の冬、きみと別れ」のあらすじ

2人の女性を殺害した死刑囚の本を書くことを依頼された僕。
取材を進めていくうちに僕は、事件の異様さに飲み込まれて行く。

人間の隠された狂気にせまる戦慄のミステリーです。

綾野剛さん「去年の冬、きみと別れ」の感想

痛みや怒りというものを非常に明確にえぐるように表現されている。
ページをめくっている自分の手が恐怖で震えてくるんですよ。

読んでいてもエグいなと思うんですけど、
全部理解できるんですよ。

自分が本当に深淵まで落ちていき、
本当に自分の危ない部分を引っ張りだしたら
ここまでやれるんだろうな人間は、
と理解できてしまうんですよ。

怪獣みたいな本ですね。


ヒメアノ〜ル」 古谷実/著

綾野剛さんオススメのマンガは、
行け!稲中卓球部」や「ヒミズ」など、
ギャグからシリアスまで数々の話題作を送り出す
鬼才・古谷実さんの代表作です。

ヒメアノ〜ル」のあらすじ

ビル清掃のアルバイト・岡田進。
何の変哲もない日々に不安や不満を感じて暮らしていた。

ところが、
ひょんなことから知り合った阿部ユカという女性に告白され、
人生初の彼女が出来る。

しかし、彼女にはストーカーが付きまとっていた。

もう一つの軸となるのが、
次々と殺人事件を起こす森田正一。

彼は、高校時代に過去自分をいじめていた同級生を殺害。
心に深い闇を抱えていた。

彼の心の闇はしだいにエスカレートしていく。

平凡な人間の恋愛模様と、
人の心に潜む異常心理を描いた群像マンガです。

綾野剛さんの「ヒメアノ〜ル」を読んだ感想

ヒメアノ〜ル」とはなんぞや?
というところに惹かれ、古谷実さんだし、
必ず自分の心に爪痕を残されるマンガなんじゃないかって
ピンときまして読みました。

はじめは恋愛マンガというか、
誰かが誰かを好きになったりとか、
至って日常の生活をしている。

そんな中、急に殺人事件が起きるんです。
その唐突感が今の現代社会に非常に切り込んでいる気がしてる。

いつも通りに生活をしている人が、
いつも通りの生活ができなくなる。

そういう窮地に立たされたときに、
いろんなことをフラッシュバックして考えるはずなんです。

そういうことを辛辣にこっちに突きつけるような。
これは本当にしびれました。

語っていい本ではなく、
ぜひ、読んでいただく本だと思っているんです。