『愛読書が知りたいタレント1位のピース又吉を直撃』〜王様のブランチ

2011年12月10日の王様のブランチ『愛読書が知りたいタレント1位のピース又吉を直撃』で、自身の愛読書と、最近出版された「エッセイ本『第2図書係補佐』ピース又吉/著 」の紹介をしてくれました。

ダビヴィンチの『愛読書を知りたいタレント ランキング』でNO1のピース又吉さん。芸能界きっての読書家としても注目をあびています。

自宅には
『多分、2000(冊)くらいあるんすかね。それで引越しをしています。1年前まで風呂なしのアパートに住んでいたんですが、テレビで僕の部屋を見た大家さんが「アカンよ、あの本の並べ方」「危ないからって」言われて。』

本の魅力とは?

『本のない人生は考えられない。』と語る又吉さん。本の魅力とは。

『文学に惹かれたのは共感できる「何か」やったんで。「わかる 俺こういう感覚感じたことがあった」、けど言葉で切り取ることが出来なかった。
言葉で説明できん感情みたいなものがあるじゃないですか、それを明確に「コレやろ」っていうふうに書かれていると、「コレコレ」って言う、共感できる部分がとにかく面白いんですよ。』

ピース又吉さんが面白いほど共感した本  『告白』 町田康/著

自意識過剰な「熊太郎」が、10人もの人を殺した挙句自ら命を断ってしまうまでを描いた物語。明治時代の実話をモチーフに「なぜ人は殺人を犯すのか?」というテーマに挑み、自意識過剰の「熊太郎」がなぜ人を殺してしまったのか、その心情も読み応えがある作品です。


『結局人間のことが書かれているんで、最後にはすごい感動するんですけど・・・すっごい面白いですね。』

自信も自意識過剰と語るピース又吉さん。主人公の「熊太郎」に激しく共感したそうです。
『主人公がすごっい気にしいで。笑ったのが、自分以外の男女が仲がいいのは盆踊りにいったからだと思って今年こそ行くんですよ。
いざ会場につくと年寄りばっかで若い子おられへんってなって。
ちょっと早く着すぎた、でも今帰ったら途中で若もんに合って「家に帰る」って言ったら、また後から行くのはださいし、「みんなが来るまで隠れとこ」ってなる。
そのへんが、「俺のこと書いてるのか?」って思います。

飲み会で会場に早く着いたら「こいつやる気満々や」と思われるから、近くの公園で待って8割くらい入ったら、「そんなやる気違いますよ」っていうノリで行きたいです。』

『共感できる部分もあって、前半は笑えて、後半は考えさせられて。大好きな1冊です。』

ピース又吉さんが共感し励まされた本  『何もかも憂鬱な夜に』 中村文則/著

刑務官として働く主人公。担当は夫婦殺しを犯した20歳の死刑囚。
死刑制度に挑んだ衝撃作です。

『生きることをテーマに書かれている小説なんです。僕みたいなもんでも値打ちのある命だなと信じられる言葉が書かれてあったんですよね。』

ピース又吉さんが生きる勇気をもらった言葉とは、死刑判決を受け入れ控訴しなかった少年に刑務官が言った言葉でした

「死んで逃げるつもりなんだな。控訴しないで。」
「お前は死ぬべきなのかもしれない。でも、でもだ」

『自分のやった罪はもちろんあかんことやけど、死刑になっても仕方ないことをしたけど。古代から、アメーバーの時から脈々と繋がれてきた今のお前に至る命を、お前で止めることの責任を感じなあかん。と言うようなことが書かれています。

これはもう全ての人間が生きる意味があるって言うことが書かれているって思ったんです。コレを思春期の時に誰かが言ってくれていたら自信持って生きれてたな。

(思春期の時は)ずっと自分は何のために生まれてきたんだろう、みんな周りの友達もそうでしたけど。何なんだろうなぁって。まあまあ「みんなそんなもんだろう」って思いながら大人になってきたんです。
この本を読んだ時に過去までもさかのぼって、過去の自分も含めてこういうことが書いてあったぞって、それで1個昇華されたんです。』

文学の面白さを伝えたい エッセイ本『第2図書係補佐』を出版

愛読書47冊を紹介。作品を読んだピース又吉さん自身のエピソードも満載で、紹介されたそれぞれの本がすごく読みやすくなっています。

『それが狙いでというか、そういう風に読んでいただけるとありがたいですね。難しい話をしたら、本って難しいんやと思って、みんな距離を感じてしまいますけど、読んでもらったら面白いと思うんですよ。絶対。』

相方ピース綾部が語る又吉の本好きエピソード

『「本と出会って退屈という言葉がなくなった」という名言を吐いたんですけど、ネタ合わせ中も僕がトイレに行っている2〜3分の間に本を開きますから。』

エッセイ本『第2図書係補佐』 ヒットのポイント

ピース又吉さんが」は、紹介する本の内容についてはほとんど語っていません。
本を読んで「そうゆうことがあったな」と言う体験談だったり、エピソードが書かれています。
小学校時代ランドセルを忘れた話、飲み会にわざと遅れていく話、思春期の悩みの話など、個人的な体験談により本の気分などがよく伝わります。

読んだことのある人は「そうそうそんな気分だったな」。
読んだことのない人はピース又吉さんに共感して、読んでみようかなって思える本です。